このブログにはアクセス数が比較的高い記事があるのですが、元アーミッシュの人にインタビューしたときの記事は読まれているようです。google検索で上位記事になるようです。
日本人の多くの場合、アーミッシュに興味を持つ理由は、シンプルライフやエコなどという部分だと思いますが、私の場合は宗教的な理由からでした。
個人的にはシンプルライフも好きですが、それよりはキリスト教的な要素への関心の方が強かったです。
日本でなんとなく感じていた、生きづらさ
私は親がプロテスタントのクリスチャンの家庭で育ちました。子どもの頃から教会に通っていて、キリスト教は身近な文化でした。
キリスト教と一口にいっても、宗派も教派も様々で、信仰の形も色々です。
その中で、私の親は広い意味でジョン・ウェスレーの信仰を継承する流れの教会に属していました。
クリスチャンとして、清く正しい生活を重視する信仰のスタイルでした。世の中の快楽的な事柄は俗っぽい罪深いことであると嫌悪する傾向があったように感じます。
とはいえ、ごく普通の日本社会の中で生活していた我が家。小中学校は地元のフツーの公立学校に通っていました。
キリスト教徒は、日本社会の中ではマイノリティです。日本におけるクリスチャンの数は人口の1パーセント以下だそうです。
子どもの頃の自分は、家庭と外の社会との違いに、なんとなく生きづらさを感じていたのかもしれません。
アーミッシュの彼らの生活は、そもそもが強い宗教共同体なので、そのコミュニティの中で生活をしている限り、昔の私が日本社会の中で感じていた世の中とのギャップや生きづらさを感じないのかもしれない、と思ったのが、私のアーミッシュ社会に対する憧れの原点でした。
ランカスター旅行中での出来事
その後、大人になってアメリカに住む機会があり、在米中にペンシルヴァニア州のランカスターというアーミッシュの集落で有名な地域を旅行したわけです。
(旅行中の写真。アイス屋さんでドライブスルーではなく、馬車でスルーして購入する光景。笑)
旅行中に、元アーミッシュの男性にインタビューする機会があり、その時の内容を過去記事で書きました。
そのインタビューは実り多き内容で、私の中のアーミッシュ観を大きく変化させるものでした。
一番衝撃的だった言葉は、「彼らは、アーミッシュの中のルールを守っていなければ、死後に天国に入れないと考えている」ということでした。
●彼らがアーミッシュのルールを守って生きる理由は、天国に入りたいから
●アーミッシュのコミュニティから外れたら地獄に堕ちると考えている
アーミッシュの中では、生活様式など細かいことまで、独自の宗教的解釈に基づいてルールが定められています。
とはいえ、アーミッシュの中で生活していても、人間だから罪を犯したり、妬んだりする感情もあります。
「アーミッシュのコミュニティの中で生きていても、別の人が新しく家を建てたり、馬車を新調したりしたら、羨ましいと思う妬みの感情はあるんだよ。昔ながらの服装をしているけど、中身は僕らと同じただの人間さ」と。
自分の中の罪を認識するときに、「アーミッシュの人たちは信心深いんだけど、果たして自分は死後に本当に天国に行けるのだろうか?と自信が持てない大人が周りに多かったよ」と彼は語っていました。
このコミュニティに属し続けないと天国に行けないよ!と教えるのは、信仰による虐待ではないか、と私は話を聞きながら感じました。
インタビューをする前は、アーミッシュの多くの若者がアーミッシュに残り続ける理由は、自分が育った故郷への愛着によるものだと私は想像していたのですが、決してそれだけはないと知って、ショックを受けました。
もちろん、私がインタビューした男性は、アーミッシュを出る決断した側の人なので、意見が偏っている可能性もあります。とはいえ、アーミッシュと何もツテもない日本人の私が、このような話を聞く機会が与えられたことは本当に感謝でした。
この男性は、非アーミッシュの女性と結婚をして、3人の子供のいるパパでした。アーミッシュのコミュニティからは出たけれども、ランカスターからほど近い場所で当時暮らしていました。そして、アーミッシュとは信仰のスタイルは違いますが、聖書を信じるクリスチャンでした。
自分の信仰について改めて考え直す良いきっかけになった。
今も私はキリスト教の信仰をもつクリスチャンなのですが、自分の親の信仰のスタイルとはまた少し違って、私なりの考えを持っています。
世俗的なことを嫌悪するよりも、世の中の文化もいいものがたくさんあるので、楽しく享受しています。ただ、人を傷つけたり、これはNGだな、と感じるものに対しては自分の中で線引きすればいいのかな、と感じています。
キリスト教の本質は、「真理は自由にする」(ヨハネ8:32)と書いてあるように、人を自由にするものです。その人が本来のその人らしさをイキイキと発揮できるような生き方です。
上は、在米中に勧められて読んで、とても良かった本。
the gift of being yourself スピリチュアルフォーメーションの本です。信仰を持つことは、神さまに造られた本来の自分に戻ることであり、あなたはそのままで価値があって素晴らしい存在だと気づかせてくれる本です。
俗世から離れるよりも、この世界の中で良い働きをしたい
俗世から離れて狭いコミュニティで生活するよりも、この世界の担い手の1人として、文化を創造していきたいですし、この世界がより良く幸せになるように働いていきたいと願っています。
具体的には、今の私にとって、子育ては未来の人間を育てる重要な仕事ですし、文章を発信することは楽しくて創造的な営みです。
今回は私の内面的な部分を文章にまとめました。読んでくださってありがとうございました。これからもブログに日々考えたことを綴っていきたいです。