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映画グリーンブックの感想。黒人差別問題とマイノリティと。

映画 グリーンブックの感想

 

1960年代のアメリカが舞台の作品。実話に基づいた話。

天才ピアニストの黒人男性ドクが、2ヶ月間アメリカ南部を旅してコンサートツアーをすることに。そのツアーの運転手として雇われた、イタリア系アメリカ人(白人)のトニー。2人の心の交流の物語。

 

 

何か英語音声の映画が観たいなと思い、Amazonプライムで評価が高かったので試聴した作品でした。なんとなく見始めたものの、素晴らしい映画で最後まで惹き込まれて鑑賞しました。

 

映画の背景は1960年代のアメリカにおける黒人差別問題

1960年代当時のアメリカにおける黒人差別の問題が映画の中心的な主題ですが、その差別の内容が酷かったです。黒人は白人と同じホテルに泊まれない、スーツ屋で試着を拒否される、レストランの入店を断られる、警官から理不尽な扱いを受ける、などなど。

アメリカの歴史の中で黒人差別があったということは、授業や本の中で知ってはいたのですが、どこか自分からは遠い話のように感じていました。でも、こうして映画の中でその状況を映像として視聴すると、どれだけ屈辱的なことだったか以前よりは理解が深まりました。(と言っても、実際に苦しんでいる人たちの苦しみは計り知れないのですが)

 

今でも根強く残る差別の問題

残念ながら黒人差別の問題は今でも残っています。昨年、ジョージフロイドさんが亡くなった事件から広がったblack lives matter 運動は記憶に新しいです。

 

特に南部での差別意識は根強いらしいです。私は2014-20184年間、夫の留学に伴いアメリカで暮らしていましたが、残念ながら南部に行く機会はありませんでした。

ペンシルヴァニア州育ちのアメリカ人の友達が、南部の州に引っ越した際に、教会の中で黒人の男性が露骨に差別されているのを見て強いショックを受けた、と話していたエピソードを、この映画を見ながら思い出しました。

 

私が住んでいたコミュニティでは、差別で不快に感じる出来事はほとんどありませんでした。アジア人の少ない地域ではあったのですが、現地のアメリカ人の人たちには本当に親切にしてもらったなと思い出します。

でも、例えばメキシコからの移民のアメリカ人の友人がいたのですが、運転してて警官から呼び止められることが多いと言っていたことを思い出します。私たち家族は結局4年で帰国してしまったので経験は限られていて、アメリカに永住している移民の彼らが見える風景はまた違うのだろうし、中には差別的な出来事も多かれ少なかれあるんだろうと思います。

 

トニーについて。

 

映画の話に戻りますね。イタリア系アメリカ人、トニーの存在がこの映画の大きな魅力だと思うのですが、トニーは一言で言うと「悪ガキがそのまま大人になった」ような人物です。ムカつくことを言われるとすぐに相手を殴ります。暴力沙汰の事件もしょっちゅう。ハッタリをかましたり、平気で相手を騙したり、ちょっと悪いことをします。手紙のスペルも間違っていたり、言葉遣いや話す内容も品がないです。

でも、トニーのいいところと言えば、妻や子どもたちを大切にしているということでしょう。そして仲間からの信頼は厚くて、好かれている様子が伺えます。

ドクの運転手として南部を旅する間も、黒人差別によるトラブルが多発して、ドクが袋叩きにされるようなシーンすらあるのですが、今まで数々のケンカや危険をくぐり抜けてきたトニーの対応力で、なんとかその場を終えることも多く、用心棒としての能力の高さも感じられます。

 

相手と時間を過ごす中で深まる理解

でも、そんなトニーも、最初は黒人のドクに対して多少見下すような描写がありました。旅の中で、段々とお互いのことを知り、理解を深めていくわけです。

 

この部分はとても本質的なことだと思います。私はアメリカに住んでいた頃、色んな国から来た留学生やアメリカ人と親しくしていました。韓国人や中国人、台湾、アフリカ出身の黒人の人、南米出身の人などなど。今では、黒人というと、漠然としたイメージではなく、その友人たちの顔が具体的に思い浮かぶんです。日本に帰ると中国や韓国に対する批判的な世論も耳にしますが、それらの国々について考えるとき、中国や韓国の友達の顔が思い浮かぶわけです。

 

彼らと付き合う上で、文化による違いを感じる場面は当然あるのですが、人間の本質的にはどこの出身でも変わらないものがあると信じています。嬉しい時は笑うし、悲しい時は泣く。どこの国でも、意地悪な人もいれば親切な人もいる。ずるい人もいれば馬鹿正直で真面目な人もいる。内向的な人もいれば外交的な人もいる。だからこそ、「〇〇人は〇〇だ」と大きな主語で語ることは控えるべきだ…と。

こんな当たり前の事柄も、アメリカで生活するまで私は気づけませんでした。このことに気づけたことも、海外生活の貴重な財産だと思っています。

 

マイノリティとマジョリティ

トニーは白人ですがイタリア系なので、白人社会の中である種の差別を受けています。ドクは黒人ですが、一流のピアニストとして認められている成功者で、黒人の社会の中では浮いた存在です。そんな2人のマイノリティとしての微妙な立ち位置が描かれているのが、この作品の面白さかもしれません。

ところでそもそも、マイノリティとかマジョリティとか、どこで線引きをするのでしょうか。やっぱり分かりやすいのは肌の色や外見でしょうが、そもそも人間それぞれユニークな存在で、違う思想や能力や外見も異なるわけです。突き詰めて考えると人間誰もがマイノリティ?

もちろん、歴史の中で、ある民族や集団が不当な差別を受けて虐げられてきたことは繰り返されてきたのですが、その根底にある自意識や集団帰属意識は実は曖昧なものなのではないか?という気がしてきます。

 

何はともあれ、オススメの映画!

色々ごちゃごちゃと考えたことを綴りましたが、観た後に様々なことを考えさせられるのは良い映画である証拠だと思うので、ぜひよかったら観てみてください。Amazonプライムで無料でした。