先日、アマゾンプライムで「かもめ食堂」という映画を観ました。2006年公開の作品です。
小説も映画も名前は知っていたのですが、今まで見る機会がありませんでした。夕食後、家族でのんびり観ました。1時間半だから長すぎなくて良いですね。
「かもめ食堂」は、サチエという日本人女性がフィンランドに移住をして、食堂を営むお話です。
どういった経緯で異国でお店を開くことにしたのか、サチエはどんなビザのステイタスでフィンランドに移住できているのか、色々な謎や疑問がたくさんあるのですが、映画は登場人物の事情をほとんど説明せず、淡々と進んでいきます。
(原作の小説を読んだら、きっと事情は分かるのでしょうが)
明日世界が終わるとしたら何をする?
「明日世界が終わるとしたら、美味しいものを大好きな人たちと一緒に食べたい」
と主人公は言っています。「食」がこの作品のテーマなんでしょう。
かもめ食堂で登場するご飯は、素朴な食事です。おにぎり、シャケの定食、シナモンロール(フィンランドでよく食べるパンらしい)、そしてコーヒー。
お寿司やステーキなど、豪華なハレの食事も楽しいですが、毎日続くと飽きます。
いつもの味噌汁とオニギリ、といった素朴な食事がホッとできて幸せを感じる、という感覚がよく分かります。
お米と鮭が好き。
私がこの映画を気に入った理由は、食の好みが似ているからかもしれません。
私はお米が好きです。麺類やパンも、もちろん好きですが、1日一回は必ずお米を食べたくなります。
そして、魚の中では鮭が1番好きです。ご飯と焼いた鮭は最高のご馳走だと思うし、オニギリの具では鮭が1番好きです。ついでに言うと、お寿司のネタでもサーモンが好きです。
サチエが店を開く場所でフィンランドを選んだ理由として、「フィンランド人も朝ごはんでサーモンを食べるから」と作中で言っています。オニギリの具で1番合う魚は鮭。きっとフィンランド人も和食を気にいるに違いない、と。
果たしてサチエの見立てが当たっていたのか、次第に食堂は賑わっていきます。サチエはオニギリに対して並々ならないこだわりがあるようですが、オニギリもフィンランド人に本当にウケたんでしょうか。私がアメリカに住んでいた時、オニギリはアメリカ人には不評でした。黒い海苔の見た目がイマイチらしい。映画の中のオニギリは、海苔の効果音がパリッとして美味しそうでした。(製作者のこだわりを感じました)
しがらみのない、気ままな生き方。
マサコさんという女性が途中から登場します。彼女は、高齢の親の介護を長年してきました。両親を見送り、一人になり、フィンランドへ旅に出ることにします。フィンランドを選んだ理由はテレビでエアギター選手権を観たのがきっかけ。しょうもないことを皆で大真面目に楽しくやっているフィンランド人の姿を見て、しがらみがなくて自由でいいなぁと憧れを持ったそうです。
貴女は食堂という夢を実現させたのね、とお客のマダムに言われた主人公は、「やりたいことをしているというよりも、やりたくないことはしたくないんです」と答えている場面が印象的でした。
今の私の生活は、しがらみというよりも、育児という責任があるので、映画に出てくる彼女たちのように外国に移住したり旅をしたり、という自由はありません。
でも、いつか、どっか外国に旅したいねーと、映画を観た後、夫と話していました。今は家族のために食事を準備する毎日で、それはとても幸せなことですが、いつか育児の手が離れたら一年に1ヶ月くらいどこか旅に行きたいなぁ。
北欧インテリアが素敵。
サチエが営む食堂のインテリアが素敵です。この映画は北欧ブームの先駆けになったそうですが、それも納得。シンプルだけど、どこか温もりのある空間。和食な料理と意外と似合っています。シンプルでオシャレだから、どんなジャンルの料理でもサマになるのかな。北欧インテリアのグッズが欲しくなってしまいました。
コーヒー好きの夫は、サチエさんが使っていたような先の細いケトルが欲しいと言っていました。使いやすそうだし、オシャレですよね。
家族で安心して観れる映画。
怖いシーンもなく、優しい描写の作品なので、小さい子どもも一緒に安心して観れた映画でした。まだ観てない方はぜひ。おすすめです。