Happy Wife, Happy Life

4人育児中のママのブログ。自分の実際に体験したことを記事に綴ってます。

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海外移住したら、自分が日本で女性として不利益を被ってきたことに初めて気づいた

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漫画家の田房永子さんと、東大教授の上野千鶴子さんの対談本を読みました。

テーマはフェミニズム。お二人の対談という形式で読みやすかったですし、田房さんの漫画も合間に載っていて面白かったです。しかし、テーマは重い内容なので、読後感は胸にズッシリ来るという感じでした。

 

 

 

私自身の話ですが、私がフェミニズムや女性の権利、性差別について関心を持つようになったのは4年間のアメリカ生活の影響が大きいです。

 

私の経歴をざっくり書くと、   

 

東京近郊生まれ小中学校は地元の公立私立の女子校私立大学日本の古い企業で会社員夫の留学に伴ってアメリカへ引っ越して子育て帰国、現在に至る

 

という感じなのですが、20代半ばでアメリカ生活するまで、良くも悪くも日本の価値観に染まっていました。女性としてずっと生きていたけれど、自分が差別されている意識がほとんどなかったんですよね。

 

大学はとてもリベラルな雰囲気で、フェミニズムを研究している人や、上野千鶴子先生の講演会もイベントであったのですが、当時の私はフェミニズムにほとんど関心はありませんでした。上野先生の講演会、行っとけばよかったなー。もったいないことした。

 

以下、アメリカで生活して驚いたことを箇条書きします。

 

男性の家事育児が当たり前。

 

アメリカ人の友人夫婦: 妻の方がバリバリ働いていて、夫も仕事はしているけど家事の比重は夫の方が大きいカップ

 

公共図書館主催の乳幼児育児サークルによく参加していたのですが(童謡を歌ったり絵本を読んだりする)、子連れパパの参加もたびたび見かけた。日本ではそういう場でまず父親を見かけることがなかったので驚いた。

 

●近所の公園で見かける子連れパパたち。

 

●教会のホームパーティーの催しで、妻ではなくて夫が全部料理の準備をしていた。私が料理の味付けを褒めて、奥さんに「これどうやって作ったの」と聞いたら、「夫が全部作ったから分からない。夫に聞いて」と。周りにいた人たちも、夫が料理することに対して褒めるわけでもなく、全く反応していなかったことに私はカルチャーショック。日本だと、「料理上手な旦那さんで幸せねぇ」とか言う人が多い気がする。

 

他にも例を挙げればきりがないのですが、アメリカの方が、家事育児は夫婦で一緒にやるもの、妻に押し付けるものではない!という意識が圧倒的に強かったので、結構なカルチャーショックを受けました。

 

日本も20年前と比べると、共働きが増えてきて、意識も昔よりは変化してきていますが、何しろ長時間労働や低賃金で苦しい社会で、父親が家庭にいられる時間が圧倒的に少ないという潜在的な問題があります。上の世代の男性も育休に対する理解がないとよく聞きますし、日本は本当に遅れてると感じます。

 

アメリカは女医さんが多い。日本は女医は少ないし非常勤ばかり。

 

4年間も住んでいたので、アメリカで病院に行く機会もあったのですが(特に第二子の出産でお世話になりました)、女医さんの多さにびっくりしました。日本よりも圧倒的に女性医師の割合が多いと思います。

 

アメリカに行く前、第一子を東京で出産した時は、妊婦検診で男性医師に診察してもらうのは心理的抵抗があり、あえて女医さんを選べる病院にしました。ところが、その病院の女性医師はみんな非常勤勤務で、肝心のお産当日は常勤の男性医師が担当することを後で知りました。常勤の女性医師が1人もいなかったことに、日本社会の構造の問題が反映されているように感じます。

 

2018年に、女子学生の医学部入試の差別問題が明るみになりました。優秀な女子学生が医師になれず、不出来な男子学生が医師になっているというのが日本の現実です。

 

外から見た方が、日本の遅れている現状がよく分かる

 

前置きが長くなったのですが、以上のようなアメリカ生活での体験を通して、

 

「あれ?私って今まで日本で女として生きてきて、実は色んな損をしてきたんじゃないか?」と今更ながら気づいたわけです。

 

 

日本に帰ってきて感じたのは、「日本食美味しいー」「役所に行っても日本語通じて楽だわ」といった無邪気な喜びもありました。しかし、一方で、「なんだか息苦しい」と感じるようになりました。特に子育てをしていて、生きにくさを感じる部分が多かったのです。

 

海外生活を通して、自分が女性であるために被差別者である、実は様々な不利益を被っているということを自覚するようになったのです。

 

日本のジェンダー指数(男女平等の指数)が先進国の中で最低レベルというのは、本当にその通りだと実感しました。

 

長期間日本を離れるという経験は、自分の生まれ育った国を外から見つめ直す、貴重な機会になりました。外から見たほうが実情がよくわかるという視点はありますよね。

 

 

 

次回以降の記事に、本のレビューも書きたいと思います。すごく読み応えのある本でした。