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4人目妊娠中のママが日々考えていることを綴ります

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離婚予定日という漫画が面白すぎた。

 

 

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漫画meeというアプリで、離婚予定日という漫画を読みました。(作者:粕谷紀子)文庫版単行本で全11巻という、それなりの長さのお話なのですが、面白くて夢中になって読みました!

 

以下、第1巻の説明の引用です。

 

鮎川早紀、32歳。平凡な夫とマセた娘の三人暮らし。ぐーたらな主婦業を満喫する中、夫から突然「3年後の離婚」を宣告され、Xデーへのカウントダウンが始まった…!! 専業主婦の自立と家族の絆を描くヒューマン・コメディー第1巻。

 

 

主人公の年齢が自分と近くて、主婦という部分に共感した気もします。

私は主人公と違って子ども1人じゃなくて三人ですが。。。

 

内容にリアリティがあって、夫婦関係について真正面から取り扱っている作品なので読み応えがあります。でも、コメディ要素も多くて笑えるし、グイグイとストーリー展開していくのでハラハラします。

2004年にテレビドラマ化もされた作品だそうです。(私はドラマは知りませんでした) 

 

以下、思いつくままに感想を書いていきます。盛大にネタバレするので、読んだことのない人はこの記事は読まずに、まずは漫画を読んでください

 

 

 

 

日本での女性の立場の弱さ。

 

2001年に連載されていた作品なので、当時の時代背景は昔に感じる部分も多かったです。

物語の前半は主人公の専業主婦・早紀の自立の物語なのですが、周囲の人間(特に早紀の夫の秀行)の「女は男に嫌われたら生きていけないんだぞ!」的な、男尊女卑的な考えが非常に腹立たしかったです。

今からたったの20年前ですよ。この20年で女性の働き方の価値観は大きく変化したんですね。バブル期の昔と違って、今は男性でも賃金が下がっているので共働きじゃないと家計が支えられない、女の人も子どもを保育園に預けて外で働くのがスタンダードになりつつある、という時代の変化ですね。

とはいえ、今でも女性の不利な立場や差別意識は社会の中で残ってるんですよね。特に今の60代以上のオジサン(おじいさん?)世代は、まさしくそういう価値観の社会の中で生きてきたわけです。女性差別問題に意識の高い人でない限り、ナチュラルに差別的発言をするオジサンはたくさんいるので、気をつけようと思いました。(つい最近の、森さんの「わきまえのない女たち」発言も然り)

 

早紀と秀行の考察

 

早紀と秀行の夫婦ですが、この2人はそもそも関係性が微妙なカップルですね。深い愛情と絆で結ばれて結婚に至った、というよりは、適齢期にたまたま出会った男女が結婚した、という経緯です。秀行が出張中に早紀と出会って、秀行は「親に勧められた相手は嫌だから自分で決めたい」という親への反発心から、早紀は秀行の結婚相手としてのスペック(勤め先、身長、三男、東京住まい、などの条件)から結婚を、なんとなく決めたわけです。

 

別に、出会いのきっかけはなんでもいいと思うのです。でも、婚約から結婚までの間に、相手の内面性や、相性などをもうちょっと考えた方が良かったんじゃないかなーと、思いました。実際、秀行と早紀は相性は良くないんですよ。早紀は家事などは手を抜くズボラ主婦ですが、大らかで優しく、人の悪口を言わない素晴らしい人格の持ち主です。早紀の長所よりも欠点ばかり指摘する秀行。あとで秀行と再婚したイサコの方が相性は良かったのかな。(イサコの方がしたたかですね)

 

 

秀行はモラハラ

 

でも、多少相性が悪くても、お互いの努力と歩み寄りがあれば、結婚生活は維持できるものです。よく離婚の原因で性格の不一致が挙げられますが、完全に一致する人間なんていませんからね。多少の不一致は必ずあるものです。

しかし、秀行は酷かったですね。浮気をするし、早紀にモラハラをするし。この夫と結婚生活を続けても幸せな未来は無さそうなので、早紀は別れて正解だったと思います。物語の中で、早紀はどんどん成長していくのに、秀行は浮気したり罵ったり、とにかく最低な夫だなとイライラしまくりでした。

 

 

でも、秀行の良い面も描かれているのがリアルだと感じました。秀行はモラハラ男ですが、会社員としての仕事ぶりは誠実で信頼が厚いです。PTA会長の挨拶で頭が真っ白になっている早紀を助けるナイスプレーをしたり、良い部分もちゃんと描かれています。人間、いい面も悪い面も両方あって、そんなリアリティのある人物描写をするこの漫画の作者さんは本当にすごいです。

 

秀行の根本的な問題は、早紀を見下していることです。早紀の頑張りを一応認めてはいるものの、根本的には妻を自分よりも下に見ているし、尊重していないことが色々な場面の行動で現れています。そんな相手とは幸せな結婚生活を送れませんし、2人が別れた時は気持ちがスッキリしました。

 

秀行のモラハラで早紀の自尊心はズタボロに

 

「本当に君はだらしなくてダメな主婦だな」と夫に言われ続け、早紀の自尊心は傷ついています。娘の真澄も、父親と同じように「ママって本当にダメだよね」と言うのです。

秀行との結婚生活の中で傷ついた早紀の自尊心の低さは、再婚後も引きずっています。再婚相手の須藤は、早紀の人格的な素晴らしさに惹かれて結婚したのですが、そんな須藤の愛情も早紀は疑ってしまいます。秀行に叱責されてきたことが相当トラウマになっている早紀がかわいそうです。まぁでも、須藤との愛情の中で癒されていけそうなラストでホッとしました。

 

王子様、須藤毅。

 

物語の中盤で登場した須藤毅。最終的に早紀は須藤と再婚するのですが、大企業の若いイケメン社長が、早紀に惹かれてプロポーズするという流れは、ちょっと現実離れしているかなーと感じました。須藤の登場で、物語のスケールが急に大きくなりましたね。笑 金持ちを取り巻く策略のSFっぽい展開の話になりました。それはそれで面白かったので私は好きでしたが。

 

須藤の欠点ってあまりないんですよね。唯一挙げられるのは、少し傲慢で強引なところでしょうか。でも、その欠点は作中で本人が反省して謙虚になっているし。もはや無敵?

男性読者の視点からは、こんな男は現実にいないよ!って批判される気もしますが、まぁ女性誌の漫画なのでいいと思います。

 

 

真澄は秀行のモラハラの影響を受けている

 

物語最後の方では、高校生になった真澄(早紀と秀行の娘)が、すっかりグレていて、顔も醜くて、なんか読んでいて辛かったです。幼い頃はマセてたけど、早紀を励ますいい子だったのに…。離婚の一番の被害者は真澄ですね。

反抗期の真澄の早紀への暴言は、確実に父親の秀行の影響を受けていますね。「ママはダメな母親」で、何を言っても許されると思っている。早紀は、高校生の真澄には、きちんと離婚の経緯を話すべきでしたね。秀行の浮気のことも。

 

 

母性の薄い女性も存在する

 

脇役で際立って存在感があったのは、霧子ですね。霧子は早紀の兄の妻です。最初、霧子は早紀を陥れようと必死で本当に嫌な感じのキャラでしたが、後半で変わりましたね。

霧子は夫に浮気され離婚しますが、ひとり息子の大助のことを「浮気した夫の子なんていらない」と見捨てます。「母親なのにひどい!」と非難されますが、霧子みたいな女性って少数派だけど存在するんじゃないかなと思います。生まれつきの脳の構造のせいなのか、あるいは生育歴が影響しているのか、母性が薄い女性も少なからず存在するのでしょう。自分の産んだ子どもに対して無条件で愛おしく感じる母性という性質は、決して全員が持っているものではないのでしょう。

でも、霧子は情がないわけではないですよね。ネットで出会った相手と心が通じ合う知的な会話をして、相手の病気を治すために必死で行動します。成長して大人な会話ができるようになった大助と、よい関係が築けたらいいなと思いました。

 

日野原怜子という生き方

 

出会う男を次々と誘惑して、捨てていく怜子。妻帯者と不倫することも平気です。最初は秀行と不倫、早紀の兄、真澄の担任の先生、その他諸々の男たちを誘惑しては振っていき、まさに魔性の女です。彼女のやっていることは最低なのですが、料理も上手だったり賢かったり、本人も努力をしていてどこか憎めないキャラクターです。でも身から出た錆で、自分が捨てた男の1人がストーカー化して、命の危険に晒されてしまいます。結局、彼女はストーカー男に殺されてしまいます。主要キャラクターの彼女を殺す展開に驚きました。でも、人が死ぬ時って本当にあっけないんですよね。昨日まで一緒に過ごしていた人がある日突然亡くなることもあるわけです。人の生死について考えさせられる描写でした。

 

 

毒親が多い

この漫画の登場人物は、毒親に悩んだ過去を持つ大人が何人も登場します。イサコ、怜子、秀行など。その人物の性格や特徴の背景として、親の影響という部分までちゃんと考えられて設定しているからこそ、深みのある人物描写になるんでしょうね。現実世界でも、程度の差はありますが毒親に苦しんでいる大人はたくさんいます。

 

 感情移入してしまう作品でした

この作者さんの作品はおそらく初めて読んだのですが、どんどん進んでいくテンポの良い展開、キャラクターに感情移入してしまうリアリティのある人物描写が凄かったです。楽しい作品と出会えて幸せだったので、長々と記事を書きました。