今回の記事では、外国免許切替の実技試験についてまとめます。
前回の記事の通り、外国免許切替試験は筆記は簡単なのですが、実技試験はそれなりに難しいです。一説によると、合格率30%程度とも言われていて、何にも対策しないと不合格になる可能性が高いです。
私はもともとあまり運転に自信がないので、教習所で何度かレッスンを受けてから試験に臨みました。練習の成果もあり、実技試験は1回目で合格しました。
以下の記事は、私が実際の試験で経験した内容と、教習所のレッスンで教わった内容に基づいています。今後試験に挑戦する人の役に立つように、なるべく正確に記そうと思いますが、もし間違っていても責任は負えないのでご了承お願いします。参考程度に読んで頂ければ幸いです。
教習所の人が教えてくれた情報
●試験官によって当たり外れがある。
警察官が試験を担当するのですが、人によって採点が厳しかったり甘かったり、ということがあるそうです。頑張って対策してもたまたま厳しい試験官に当たって落ちてしまうこともあるので、必要以上に気落ちすることはないのかなーと思います。
●府中試験場の方が鮫洲試験場よりも合格しやすいらしい。
どういうわけか、鮫洲の方が試験官が厳しい傾向があるそうです。教習所で教えていて、この人はバッチリ大丈夫だろうと思っていた生徒さんが鮫洲試験場で不合格だったり、一方で、合格は難しいかなぁと思っていた生徒さんが府中試験場で合格したり、、、 という事例があったそうです。東京都民なら府中試験場に行った方が合格の近道かもしれません。
●若くて礼儀正しい印象だと受かりやすいらしい。
警察官も人間なので、やっぱり印象が大事だそうです。身なりや服装に気をつけること、きちんと挨拶をすること、注意事項などの説明をちゃんと聞くこと…など、礼儀正しい態度が重要だそうです。
逆に、歳を取っていて横柄な態度だと試験官の印象は最悪らしいです。俺は運転上手だぜ、というような偉そうな態度のオッサンだと、まず不合格になるそうです。
●実技試験当日の順番は、受験回数の多い人が先。
実技試験当日は、自分の番号が割り当てられて呼ばれます。
ちなみに私は8人中7番目でした。
試験時間は1人10分程度。直前の人が試験をしている間、次の順番の人は後部座席で待機します。前の人の様子を見て、コースの最終チェックができるというわけです。
この受験の順番ですが、2回目以降の受験者(つまり、過去の試験に不合格だった人)が早い番号で、初回の受験者は遅い順番になる仕組みになっているそうです。
私は初回受験だったので待ち時間が結構長かったです。外のベンチで待ちます。寒い時期だったので、コートを羽織って正解でした(運転中は脱ぎましたよ)
合格の近道は実際の試験場でレッスンを受けること
府中試験場は土曜日に練習ができるように開放されています。
事前の電話予約が必要で、当日に受付で2200円の使用代金と保険料を支払います。
1日1時間しか利用できないという制限がありますが、やっぱり実際の試験場で練習するのが一番イメージトレーニングに良いと思います。
自家用車を持ち込んで練習も可能ですが、レッスン代を払って教習所の人に付き添ってもらった方が、試験のチェックポイントが分かって意味のある練習になると思います。
教習所の選び方ですが、外国免許切り替え試験の経験があるスクールの方がいいと思います。レッスン費用の相場は一時間1万円程度でしょうか。多少出費になりますが、少なくとも一回は試験場でレッスンするのをオススメします。
右左折の手順
外国免許の切り替えで一番重要なポイント。それは右左折の手順です。
例
1、試験管に「次の角を左折してください」などと指示をされたら、ウインカーを出す。
2、ルームミラー、サイドミラー、左側の三点を目視する。多少大げさなそぶりで、しっかり見ていますよ!とアピールするくらいがいいらしいです。
3、左折の場合は道路の左側、右折の場合は道路の右側に車を寄せる。
アメリカでは広い道だったので、こんなルールはなかったのですが、日本では道が狭くてバイクが横をすり抜けることも多いので、安全のため右左折では車を寄せるのがルールらしいです。特に左折の場合は小回りで曲がるのが重要らしく、私は慣れるまで時間がかかりました。。。
府中試験場の実技試験のコース
実技試験のコースは全部で3パターンあります。
多くの場合AコースかBコースで、稀にCコースのこともあるそうです。
以下は、Aコースを中心に説明します。画像を参照しながら読んでください。
①練習走行区間
試験開始前のポイント
自分の順番になったら、車の後ろと前に障害物がないか指差し確認。時計回りに移動。
後ろを確認しつつ、素早くドアを開けて運転席に乗り込む。
ドアをロック。座席の位置の調整。片手でルームミラーの調整。サイドミラーの確認。エンジンを入れる。サイドブレーキ解除。ギアをDに入れる。右にウインカーを出して、目視確認をしてから発進する。
最初、二本の青のポールの間(15メートルくらいでしょうか?)を、練習走行できます。
②停止線 (図の青い線)
当然ですが、停止線ではしっかり停止します。
ちなみに私が受験した日、1人目の受験者は、スタートの停止線で止まらなかった理由で、一発不合格になり、すぐに試験終了になっていました。
右回り出発の場合はAコース。左周り出発場合はBコースになります。
Aコース注意点
③ミラー (図の赤い線)
Aコースは右回りのスタートです。まずはスタートの停止線で止まり、前方のオレンジのミラーを見て、左右から車が来ていないか確認をします。
もし他に車が来ていたら、たとえその車が遠くても、相手が通過するまで待ってから出発しなければなりません。
普通、外で運転する場合は、相手の車が遠くてぶつからないタイミングであれば、進んでいくと思うのですが、試験中にそれをやるとダメらしいです。
④ 直進
Aコースの場合、最初は直進です。時速45キロまでスピードを出して、カーブの前で時速20キロまで徐々に減速しましょう。府中試験場の場合、スピードを出す場面はこの道のみらしいです。これ以降の道ではすぐに右左折になるので、45キロまで出す場面はないそうです。
⑤クランク & ⑦ S字
この後、クランク→S字カーブという流れになります。
S字とクランクについて、この動画が分かりやすかったので紹介します。
他にも、運転のコツに関する動画はYouTube上にたくさんアップされているので、
運転が苦手な人は色々と観ておくとイメージトレーニングに役立つと思います。
狭路では内輪差を考慮して、大回りでカーブすることが基本です。前輪の位置を意識して、ハンドルを切るタイミングが重要になります。
スピードはとにかくゆっくりを心がけて。3秒以上停止すると減点になりますが、ゆっくり動く分には問題ありません。具体的には時速3キロ以下にしましょう。これ以上のスピードだと縁石に乗り上げた時そのまま通過してしまい不合格になります。時速3キロ以下だと縁石にぶつかったときに車がストップするので、Rでバックして落ち着いて車を元の位置に戻しましょう。この場合、減点にはなりますが一発不合格にはならないそうです。
⑥ 障害物
クランクとS字の間に、必ず障害物があるので、コレを正しく通過しなければなりません。
クランクを出るとき、まずは試験官から右折の指示が出るので、右のウインカーを出しましょう。
左右を確認してから発進。右折して左側車線に一度完全に入ります。この時、移動距離が短めなので、少し左寄りに大回りする気持ちで移動すると入りやすいです。
さて、その後すぐに前方に障害物があるので右側によける必要があります。
右折のウインカーは出しっぱなしのまま、ハンドルを右側に切って、障害物から1メートル間隔を空けるようにして通過します。この時、間隔は1メートルなので、対向車線に自分の車が完全に入るのはダメで、実際は中央線をまたぐような形で通過になります。
障害物を通過したら、すぐ左のウインカーを出して自分の車線に戻りましょう。
しつこいようですが、ウインカーを出して右左折するときは、その都度ルームミラー、サイドミラー、横側を目視するのを忘れないようにしましょう。
⑦ 信号左折
S字が終わったら、信号があります。ここを左折するように指示されます。
もし信号が黄色だったら停止しましょう。左側の矢印が青くなったら発進します。
信号の後は直進です。ある程度スピードを出します。途中、交差点を通過しますが、自分の道が優先なので直進します。交差点を通るときは、少し減速して左右を一応確認した方がいいらしいです。
⑧ 停止線(図の青い線)
次に、突き当たりを右折と指示が出るので、ウインカーを出して右側の車線に移動します。
停止線で一旦止まります。
左右を確認して、他の車が来ているようであれば必ず相手が通過するまで待ちましょう。
右折をしたら、左側の車線に入ります。
ここまで来たら、後は出口まで行くだけです。お疲れ様でした!
Bコース注意点
Bコースは左回りのコースです。最初のカーブを曲がった後に、前方に障害物があります。
右ウインカーを出して、ルームミラー、サイドミラー、右側を目視して、障害物をよけましょう。障害物を通過したら、左ウインカーを出して元の車線に戻ります。
2つ目のカーブを通過した後に、右折をするように指示されます。後は、Aコースと全く同じ道順になります。
Cコース
試験に出るのはAかBコースが多いそうですが、稀にCコースになる場合があるらしいです。
時間に余裕があれば、この道順も事前に練習できたらいいと思います。
道順はA、Bと異なりますが、注意するポイントは基本的に同じだと思います。(右左折の注意点、S字クランクなど)
試験で使われる車について
実技試験では、プリウスかコンフォートの車が使われるそうです。
プリウスの場合は、エンジンが鍵ではなくてスイッチ式です。プリウスのエンジンのかけ方や操作方法は試験当日の外ベンチ(順番待ちの場所)に張り紙があります。サイドブレーキが左足部分にあったり、ギアチェンジのレバーの仕様など、操作方法が多少違います。
試験で使われる確率は、プリウスが9割、コンフォートが1割と聞いていたのですが、私が受験したときはクラウンと後ろにロゴがある車でした。多分、クラウンコンフォートで、コンフォートという車種だったんだと思います。
いずれにせよ、セダン型の車が使われるので、そのつもりでS字クランクの練習をするといいと思います。(うちの車はコンパクトカーなので、狭路練習は本番よりも簡単になりすぎて、イマイチでした…)
日本の運転の本は読んだ方がいいと思う
あと、試験前に本を読んで日本の交通ルールをおさらいした方がいいと思います。
海外と結構違う部分が多いですし、実際の運転で事故らないためにも読んだ方が安心です。
こちらの本は図解でわかりやすくて価格も手頃でおすすめです。
以上、実技試験のポイントについてまとめました。
特に府中試験場で受験する人には、役に立つ内容だと思います。その他の試験場でも、試験官が採点するポイントは基本的に同じだと思うので、参考にしていただければと思います。