星の数

Happy Wife, Happy Life

3人育児中のママの日記。アメリカで4年暮らして2018年に帰国。心地よい暮らしを模索中。

SPONSORED LINK

日本の最低賃金は安すぎる。もし最低時給2500円になったら社会はどう変わるか

f:id:countstars:20180410110310j:plain

 

 

私が今住んでいるアメリカの州の最低賃金は、時給15ドルらしい。この金額を安いと感じるだろうか、高いと感じるだろうか。私は最初、ずいぶん高いなと思った。というのは、東京の最低時給は958円(2017年10月1日現在)。ちなみに東京が全国で一番高いそうだ。以前より最低賃金は上がって来てはいるものの、いまだ時給千円以下。それと比べると、今住んでいるアメリカの地域の最低時給15ドルは、意外と結構高いんだなと感じたのである。

 

ところが、アメリカで住む友人と話していて、「最低時給が15ドルなんて安すぎる。だって、時給15ドルでこの地域で生活なんて出来ないもの」という発言を聞いて、ハッとさせられた。私のこれまでの価値観の方が、おかしかったことに気付かされた。

 

歴史社会学者の小熊英二さんの、朝日新聞での論評に共感したので、以下に引用したい。

 

hatarakikata.net

 

小熊さんは、もし日本の最低時給を2500円に設定したら、日本社会は良い方向に変わるはずだと提言している。

 

 

 

では最低賃金を時給2500円にしたら、日本社会はどう変わるか。まず正規と非正規の格差は減少する。両者の違いは残るが、それは「安定しているが賃金と自由度の低い働き方」と「不安定だが賃金と自由度の高い働き方」の相違となる。  
次に「正社員の座」にしがみつく必要がなくなる。研修やスキルアップ、社会活動や地域振興のため、一時的に職を離れることが容易になる。転職や人材交流が活発化し、アイデアや意見の多様性が高まる。起業やイノベーションも起きやすくなり、政界やNPOに優秀な人材が入ってくるようになる。 
賃金が上がれば結婚もしやすくなる。男女ともに育児期の一時離職が容易になり、少子化の緩和が期待される。 
過度の長時間労働は減る。2014年に過労死した青年は、「正社員になれて良かった」と限界以上に働いていた〈2〉。「正社員の座」に固執する必要が減れば、こうした悲劇は減少する。また労賃が上がれば、経営者は無駄な労働を減らそうと努めるだろう。

 

 

 

 

この中で、子育て世代の私が一番共感したのは、「賃金が上がれば結婚もしやすくなる。男女ともに育児期の一時離職が容易になり、少子化の緩和が期待される」という部分だ。

 

私は30代前半だ。周りの女友達で、「結婚したいし出産もしたい。でも彼氏はフリーターで将来が不安だから結婚に踏み切れない」という独身の友達が複数いる。一生懸命働いても正社員になれないから、結婚に踏み切れないし、将来像も描けない。

友人自身もフリーターで、親と同居だから生活はできるけど、一人暮らしで自立するのは経済的に難しいという人も多い。

 

こういう状況に対して、「本人の努力が足りないから正社員になれなかった。優秀な人は正社員になって、結婚して家庭を築いている人もたくさんいる」といって批判するのはお門違いだと思う。若者がまじめに働いても自立できるほどの賃金が保証されない今の日本社会の仕組みの方がおかしいのである。

 

また、「男女ともに育児期の一時離職が容易になる」という部分も大切なポイントだと思う。昨今、女性が出産後も働くには保育園が足りないとか、待機児童の増加が社会的な問題になっているが、出産後も独身の頃のように同じペースでバリバリ働きたいと思っている女性は本当に多いのか私は疑問に感じている。

 

子どもが小さい乳幼児期は、なるべく子どもと一緒に過ごしたいと思っているママは多いと思う。仕事もしたいけれども、子どもの小さい時期は仕事量を減らして育児に取り組んで、ある程度子どもが大きくなってから仕事に復帰できるような、もっと柔軟な働き方が許される社会の方が理想だと思う。今の日本社会の労働環境では、ワーキングマザーが一度正社員を辞めたら二度と同じような待遇で働くことは非常に難しいため、どんなに無理しても同じ会社で働き続けようとする母親が多いが、どこか歪んだシステムだと私は感じている。

 

 

あえて言おう。フルタイムで働いても尊厳ある生活ができないレベルの対価で人間の労働が買われている状態は、人権侵害である。人間が尊重されない社会では、経済も成長しない。

 

 

小熊さんのこの言葉に同感である。日本の労働環境は厳しいし、正直帰国するにあたって暗い気持ちになる部分もある。でも、今の社会のシステムおかしいよね?と子育て世代が主張しないと、これからの日本の未来はますます真っ暗だと感じるのである。