The Bible Project
最近よく視聴しているこの動画。聖書やキリスト教に関するトピックを、1話につき5分程度の短い動画にまとめている。内容は非常に良質なのに、全部無料で視聴できるというのがすごい。
監修しているティム・マッケイはセム語系の言語学と聖書学の博士課程を卒業していて、Western Seminaryで教授をしている。ディレクターのジョン・コリンズは聖書学の学位を持っていて、アニメーションを用いて複雑な概念をシンプルに伝えることに優れている人物。
ちなみにこの動画で、メガネの方がティムで、長髪の方がジョン。
実際に動画を視聴してみると、ひとつひとつのテーマは複雑で難しいはずなのに、アニメーションのイラストとナレーションですごく分かりやすく、要点をシンプルに伝えているので概念を理解しやすい。
こんなに良質なコンテンツを、無償で提供しているところに彼らの心意気を感じる。うーん、すごい。
Justice(正義とは何か?)
今日は一番最近にリリースされたJustice(正義)について、という動画を視聴した。
以下、不十分ですが、ざっくりとした概要を日本語で書きます。
人間と他の動物の特性で大きな違いのひとつ、それは正義という概念があるかどうか。動物の世界では時に自分の子供を殺すことはごく普通に行われているが、人間の世界では自分の子を殺すことは悪である。では、道徳的に正しいか間違っているかの基準、つまり正義について聖書はどのように語っているのだろうか。
旧約聖書の創世記では、人間は神によって「神のかたち」として創造された、と書いてある。全ての人間は神の前では平等で、同じように「神のかたち」として創造されたというのである。だから、全ての人間は平等と正義を享受する権利を持っているのである。
とはいえ、実際の人間の歴史では、それは実現されてこなかった。むしろ、神の教えに背いて弱者を虐げ、正義を行なってこなかった人間の姿を聖書は記述している。
そこで神はアブラハムを選んで、この民族を通して、本来の人間の正しい生き方を示された。それは個々人が「神のかたち」として創造された大切な存在であるから、互いに尊重して公平に扱おうとする生き方である。社会的弱者に関する命令もたくさん書いてある。たとえば、シングルマザー、貧困者、移民などの社会的に立場が弱い人たちを保護しなさい、彼らを虐げてはならないと神は語っているのである。
しかし、旧約聖書を読むと分かるのは、神の命令を受けたアブラハムの民(すなわちイスラエルの民)も、他者を虐げて、正義の歩みをしてこなかったことである。そこで神が示された解決の方法は、イエスキリストをこの世に送ることであった。イエスキリストは人間の罪の罰を代わりに受けるために死なれ、本当の意味での正義の生き方を示したのである。
動画の最後の部分にある、足を洗う人の姿はキリストを表している。弱者を強さで支配するのではなく、弱い人に仕える者として生きたキリストの姿である。