Happy Wife, Happy Life

4人育児中のママのブログ。自分の実際に体験したことを記事に綴ってます。

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アメリカの里子制度と日本の中絶問題について考えたこと

Foster Care Program

 

Mops (Moms of preschooler 未就学児のママの会)に先日参加したら、その日のテーマはFoster Childに関してでした。Mopsでは毎回ゲストスピーカーが訪れて、話を聞いた後に小グループで感想を話し合う時間があります。

 

アメリカでは、養子や里子など、血の繋がらない子供を引き取って育てている家庭が本当に多いので、かなり興味深いテーマでした。こちらに暮らし始めて知り合ったアメリカ人で、里子や養子と暮らす家庭を数多く知っています。自分の子供がすでにいる家庭もあれば、そうではないカップルもいたり、白人夫婦で黒人の子どもを育てている家庭だったり、本当に様々なケースがあります。

 

里子とは

 

Foster Child 里子
Adapted child 養子
Biological child (血の繋がりのある)実子

 

里子とは、何らかの事情で自分の家庭で育てられない子どもを、引き受けたいと希望する別の家庭で養育することです。養子縁組とは異なり、里子と里親は戸籍の上での繋がりはありません。

今回のゲストスピーカーは、3人の実子と3人の里子の計6人の子どもを育てるママと、里子斡旋団体で働くソーシャルワーカーの女性でした。
里子を引き受けることにした経緯、今の生活スタイル(ワーキングマザーだそうです)、家族みんなで決断して引き受けることにしたこと、などなど、興味深い話でした。

その後のスモールグループタイム(計7人のグループ)で、1人のメンバーが「実は去年のMopsでも同じテーマの話を聞いてそれから興味を持って、今は里子を引き取るための申し込みの手続きを進めているんだよね」と話してくれたのも驚きでした。ちなみに彼女は自分の子供(乳幼児)が2人いるお母さんです。


アメリカでは里子や養子はごく普通の選択肢のひとつ

血の繋がりのない子どもを自分の家庭で育てることに対して、アメリカは本当にオープンな国だなと感じます。ゲストスピーカーの話や会の雰囲気、パンフレットなどを読んでも、養子や里子の受け入れに関して、とても明るい積極的な良いイメージを感じます。

ちなみに、里親へは政府から補助金が貰えるそうです。里子の養育費としてのお金で、州によって額は異なるようです。

とはいえ、(たとえ多少の援助金を貰えたとしても) 自分の家庭で他人の子どもを育てるってものすごく大変なことだと思うので、そんなことができるのはよっぽど凄い人格者なのでは?!と、当初私は思っていたのですが、別にそんなことはないみたいです。実際に里子を育てているママと話をしても、ごく普通の家庭のお母さんだなという印象でした。このアメリカという国において、里子や養子は、ごく普通の大人が、ひとつの自然な選択肢として選ぶ家族のスタイルなのではと感じました。

 

アメリカと比べると、日本では里子も養子の数もとても少なくて、家庭で育てられない子どもは児童養護施設で育つケースの方が圧倒的に多いそうです。

 


日本の中絶問題について考える

 

養子や里子のことについて考えると、日本の中絶の数の多さを思い出します。日本ではなんと年間18万人の胎児が中絶されているといわれています。日本では、望まない妊娠をした場合、シングルマザーで頑張って育てるか、あるいは中絶するという2つの選択肢しか思いつかない社会なのではないかと感じます。他人に迷惑をかけてはいけないという価値観が強いためか、望まない妊娠は多くの場合は自分の行いが招いた結果なのだから、自分で育てるかあるいは中絶するかしなさい、と選択を迫られるケースがほとんどなのではないでしょうか。
中絶はデリケートな問題なので、様々な意見や立場があると思いますが、私自身は2人の子どもを妊娠出産した経験から、やはり子どもは受胎した瞬間から特別な命だと感じています。できることなら、中絶はしないで「産みたい」と願った人が、里子や養子なり、他の人に育てるのをお願いできる選択肢がある社会の方が良いと思いました。

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自分の子供を自分で育てられたら勿論それが一番ですが、何らかの事情で難しい場合、里子・養子など、社会の中でみんなで協力してその子を育てていけたら良いのに、と思います。

 

もし独身時代に望まない妊娠をしたら

 

あるアメリカ人の知り合いが話してくれたエピソードが印象的でした。

 

「私にはhalf sister(半分血が繋がった姉)がいるの。私の母は昔、まだ父と結婚するずっと前の若い頃に、一晩限りの関係の男性との間に赤ちゃんを授かったの。私にとっては半分血が繋がった姉なんだけど、彼女はとても良いクリスチャンの家庭に里子として引き取られて成長したの。私も彼女の存在は知って育ったわ。だから私自身も里親制度に関心があって、近いうちに里子を引き受けようと夫や子どもたちと話しているのよ」

 

アメリカでは未婚の母、養子、里子、離婚などの事柄を本当にオープンに隠さずに話す印象があります。日本人の私からすると、こういう話題に触れるのはタブーなのでは?ということでも、ありのままの事実をさらっと話すので驚くことがあります。

 

日本人の感覚からすると、もし独身の頃に望まない妊娠をしたら、中絶を選ぶケースが多いと思います。でも、彼女の母親は産むという決断をして赤ちゃんを里親に預け、更にその後自分の夫や子どもたちにもその事実を伝えています。私にそのエピソードを話してくれた彼女は、娘としてその事実を受け入れるのに果たしてどんな心のプロセスがあったのだろうか、特に思春期だと母親の過去のそういう話を受け止めるのは少し難しいんじゃないか?と私は思いましたが、現在の彼女はその事実を前向きに受け止めて自分自身も里親になろうとしているわけです。これはすごいエピソードだなと感じました。